最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)1243 判決
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人渡辺治湟の上告趣意第一点について。
本件について原審の訴訟審理の経過は論旨に指摘するとおりであつて、原審が記
録の送付を受けた昭和二四年二月一四日からその第一回公判期日たる同二六年三月
二七日までの間一回の期日指定をした形迹もなく二年有余の時日を空過せしめたこ
とは事情の如何を問はず誠に遺憾な事としなければならない。しかし、裁判が憲法
三七条に所謂迅速を欠いたとしても、かかる場合は或は司法行政監督上より係官の
責任の問題を生ずることがあるのは格別として、これをもつて判決破棄の理由とな
らないことは既に当裁判所の判例とするところである(昭和二三年(れ)一〇七一
号同二三年一二月二二日大法廷判決参照)。されば、所論迅速裁判に違反するとの
論旨は採用するに由ないものである。そしてまた、憲法三七条に所謂公平な裁判所
の裁判とは構成その他において偏頗の惧れのない裁判をいうのであつて、個々の具
体的事件について事件処理の当不当をいうものでないことは当裁判所大法廷判例の
趣旨に徴し明らかである。(昭和二二年(れ)一七一号同二三年五月五日大法廷判
決参照)従つてこの点の論旨も採用できない。
同第二点について。
所論は量刑不当の主張であつて、適法な上告理由とならない。なお、記録を精査
しても、本件に刑訴四一一条に該当する事由はない。
よつて、刑訴施行法三条の二刑訴四〇八条に従い、全裁判官一致の意見で、主文
のとおり判決する。
昭和二六年一二月二一日
最高裁判所第二小法廷
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裁判長裁判官 栗 山 茂
裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 谷 村 唯 一 郎
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